高硬度鋼加工に挑む ― 無人化を支える次世代ドリルの進化

製品紹介

高硬度材(HRC60前後)の切削加工は、工具寿命や安定性の面で難易度が高い工程です。近年、コーティング技術とチップ形状の進化により、無人運転でも安定切削が可能になってきました。今回は、工具技術の最新動向、導入ポイント、Q&A・実例を交えてご紹介します。

近年、焼入鋼・特殊鋼(HRC55~65級)への切削需要が増加していますが、従来工具では刃先摩耗・加工不良・寸法ブレが課題でした。ところが、最新のドリル工具ではPVDコーティング+微細刃先処理や内部給油構造、振動抑制シャンクなどが採用され、無人・夜間運転でも安定加工が実現されつつあります。
たとえば、高硬度鋼用ドリルを無人夜間運転ラインに組み込み、工具交換・摩耗アラートをIoT管理する事例も出ています。

“工具=消耗品”から“加工停止を防ぐキー”という視点が必要です。

<導入ポイント>
・工具選定:被削材の硬度・加工条件・送り速度/主軸回転数を踏まえた上で、コーティング・刃先形状・内部給油有無を選定。
・工程見直し:高硬度材加工では、切削条件を安全側/安定側に設定し、切りくず排出・温度・振動対策まで含める。
・無人運転設計:工具摩耗・切りくず詰まり・変形収縮などをモニタリング可能な装置・センサーを併設し、夜間運転に耐える体制を整える。
・KPI設定:工具寿命(ショット数・時間)・加工面粗度・寸法ブレ・稼働時間増加(無人夜間運転時間)などを数値化しておくことが必要です。

Q&A形式で整理

Q1. 高硬度鋼加工で“普通のドリル”ではダメ?

A1. 高硬度鋼では刃先摩耗が早く、刃こぼれ・振動・寸法逸脱のリスクが高いため、専用コーティング・耐摩耗設計・最適条件が求められます。最新工具を使うことで無人・夜間運転に耐える安定性が得られています。

Q2. 無人運転を始めるにはまず何を検討すべき?


A2. 加工条件の安定化(切削速度・送り・クーラント条件)・工具交換タイミングの見える化・切りくず排出状況の確認・温度・振動モニタリングなどです。これらが整っていないと、夜間に“予期せぬ停止”というリスクが残ります。


Q3. 工具コストが増えてもメリットは出るのか?


A3. 高機能工具は単価が高めですが、工具寿命延長・段取り削減・夜間稼働増加という形でコスト回収が可能です。例えば工具寿命が従来比2倍、夜間稼働時間+20%などの改善事例があります。管理職としては“加工停止を防ぐための投資”という発想が重要です。

高硬度鋼加工は難易度が高い分、適切な工具と運用体制で大きな差別化要因となり得ます。

“工具選定”を技術者任せにせず、“無人運転・段取り削減・停止削減”という観点で戦略を描くことが鍵です。

もし、工具選定・無人夜間運転ラインの検討でお悩みでしたら、ぜひ私ども 釜屋株式会社 機械部にご相談ください。

御社の加工戦略をサポートいたします。


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