【アルミ攻略・総まとめ】種類選びから表面処理まで|症状別・逆引きガイド
この記事は、アルミ部品の設計・調達・加工・溶接・表面処理に関わる現場の方向けです。
アルミは「軽くて削りやすい」というイメージで語られがちですが、実際には材料選定・切削・固定・溶接・表面処理のそれぞれに、鋼材とは違う注意点があります。釜屋オンラインでは、この材料との付き合い方を全6回に分けて解説してきました。この記事は、その6回への入口です。いま困っている症状から、読むべき回を逆引きできるようにしてあります。
なぜ工作機械の商社が、材料の話をするのか
釜屋は工作機械を売っている会社ですが、それだけではありません。享保6年(1721年)の創業以来、釜の製造販売から始まり、家庭用金物、油類を経て、現在は鉄鋼商社としての販売事業、鉄構建設事業、工作機械販売事業を並行して営んでいます。
つまり釜屋は、材料を売る側と、材料を削る機械を売る側の、両方に立っています。「この材料は削りにくい」という話と「この機械なら削れる」という話を、同じテーブルで考えられる。この連載を書いた理由はそこにあります。
症状から探す:アルミの悩み逆引き表
| いま起きていること | 読むべき回 |
|---|---|
| どのアルミを選べばいいか分からない | 第1回 |
| 強度と耐食性、どちらを優先すべきか迷っている | 第1回 |
| 削っていると刃先に材料がこびりつく | 第2回 |
| 仕上げ面が荒れる、工具寿命が短い | 第2回 |
| 薄い部品が反ってしまう | 第3回 |
| 固定するたびに寸法がばらつく | 第3回 |
| 溶接で穴(ブローホール)ができる | 第4回 |
| 溶接後に部品が歪む | 第4回・第3回 |
| アルマイト後に寸法が公差から外れる | 第5回 |
| 色ムラや発色のばらつきが出る | 第5回 |
| とにかくコストを下げたい | 第6回 |
全6回の内容
第1回:アルミの種類と選び方|A5052・A6063・A7075・ADC12の違い
代表的な4つの合金系統の性格を整理し、強度・耐食性・加工方法・後工程という4つの軸で選ぶ考え方を解説しました。材料証明書だけに頼らず、早い段階で特性を確認する重要性にも触れています。
第2回:アルミは削りやすいのに難しい|構成刃先と溶着をどう防ぐか
アルミ特有の構成刃先と溶着のメカニズムを解説し、切削速度・刃先形状・切削油剤・切りくず排出という4つの対策の優先順位を示しました。それでも直らない場合は、機械側の主軸能力を疑う視点も紹介しています。
第3回:アルミの薄物加工|反り・変形を抑える段取りと固定
薄物の反りは「点で押さえるか、面で支えるか」という固定方法の選び方で大きく変わることを解説しました。真空チャック、低融点合金など固定方法の比較と、削り方の工夫を扱っています。
第4回:アルミ溶接の難しさ|酸化皮膜と熱の逃げをどう扱うか
酸化皮膜と熱伝導率の高さという2つの特性が、ブローホールや変形の原因になることを解説しました。溶接機の出力特性を合わせることと、清掃の徹底という2つの対策の重要性を扱っています。
第5回:アルマイトと表面処理|見た目・耐食性・寸法変化
アルマイトが単なる表面のコーティングではなく、寸法を変える処理であることを解説しました。普通アルマイトと硬質アルマイトの違い、処理前に確認すべき項目を整理しています。
第6回:アルミでコストを下げる|材料置き換えと歩留まりの考え方
コストは材料費だけでなく、歩留まりと加工時間の掛け算で決まるという前提から、ここまでの5回で扱ったトラブルすべてが歩留まりを左右する要因であったことを振り返りました。
6回を通して見えてくること
連載を書き終えて、はっきりしたことがあります。アルミの問題の多くは、工程の下流で顕在化するが、原因は上流にあるということです。
- 溶接での歪みは、溶接そのものの問題に見えて、材料の熱伝導率という上流の特性に起因することがある(第4回・第1回)
- アルマイト後の公差外れは、処理の問題に見えて、設計段階で寸法変化を見込んでいなかったことが原因のことがある(第5回・第1回)
- コストが下がらないのは、材料が高いからではなく、削りすぎや不良による歩留まりの低さが原因のことがある(第6回・第2回・第3回)
現場で起きている症状の一つ手前、さらにもう一つ手前まで遡ると、たいてい打ち手が増えます。逆引き表で複数の回にまたがっている症状が多いのは、そのためです。
お困りごとがあれば、現場を見せてください
この6回は、材料の一般論としてまとめたものです。実際の現場では、図面の指定、既存の設備、納期、ロット数といった条件が絡み合い、教科書どおりにはいきません。
釜屋は鉄鋼と工作機械の両方を扱っています。「この材料に変えたら、いまの機械で削れるのか」「この機械を入れたら、材料や工程の悩みを解決できるのか」——こうした、材料と設備をまたぐ相談にお答えできるのが、当社の立ち位置です。
三重県を中心に、現場へ伺って一緒に考えます。図面1枚、加工中の写真1枚からでも構いません。お気軽にご相談ください。
アルミ攻略ガイド(全7回)
- 第1回 アルミの種類と選び方|A5052・A6063・A7075・ADC12の違い
- 第2回 アルミは削りやすいのに難しい|構成刃先と溶着をどう防ぐか
- 第3回 アルミの薄物加工|反り・変形を抑える段取りと固定
- 第4回 アルミ溶接の難しさ|酸化皮膜と熱の逃げをどう扱うか
- 第5回 アルマイトと表面処理|見た目・耐食性・寸法変化
- 第6回 アルミでコストを下げる|材料置き換えと歩留まりの考え方
- 総まとめ アルミの選び方から表面処理まで|症状別・逆引きガイド
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