バリ取りに人手がかかる|手作業を減らす方法を整理
バリ取りに人手がかかる。
加工そのものは自動化できているのに、
最後のバリ取りだけは人がグラインダーやヤスリを持って処理している。
こうした現場は少なくありません。
結論から言えば、
バリ取りを自動化するときは、最初から
「ロボットを入れる」
と決めないことが重要です。
まず、
どこにバリが出るのか
どの程度ばらつくのか
ワークは何種類あるのか
どの品質まで仕上げる必要があるのか
を整理し、
工具で改善する
専用機を使う
ロボットを使う
という順番で方法を比較します。
■ 最初に「バリ取り時間」を測る
バリ取りは1個あたり数十秒、数分という作業も多く、
一見すると大きな問題に見えないことがあります。
しかし、
1個2分
×
1日100個
なら200分です。
1日3時間以上を
バリ取りに使っている計算になります。
さらに、
ワーク搬送
持ち替え
確認
清掃
まで加えると、
実際の作業時間はもっと長くなる場合があります。
まずは、
1個何分かかっているか
1日何個あるか
何人が担当しているか
を確認するところから始めます。
■ バリが「どこに」「なぜ」出ているかを見る
バリ取り自動化では、
バリそのものを先に確認します。
例えば、
穴の出口
切断面
加工エッジ
鋳物のパーティングライン
溶接部
プレス加工部
など、発生場所によって対策は変わります。
さらに、
毎回ほぼ同じ位置に出るのか
大きさにばらつきがあるのか
ワークごとに形が違うのか
も重要です。
毎回ほぼ同じ位置・同じ大きさのバリであれば、
専用工具や専用機で対応しやすい場合があります。
逆に位置や形状が変化する場合は、
ロボットや力制御などを検討する意味が出てきます。
■ まず前工程で減らせないか
バリ取り設備を追加する前に、
一度確認したいのが前工程です。
切削加工であれば、
工具
切削条件
工具経路
加工順序
などを変更することで、
バリそのものを小さくできる場合があります。
穴加工であれば、
出口側の加工条件や工具選定を見直す。
ミーリングであれば、
工具経路や仕上げ方を変える。
つまり、
「出たバリをどう取るか」
だけではなく、
「バリをできるだけ出さない方法はないか」
も同時に考えます。
前工程でバリを減らせれば、
後工程の自動化設備も簡単になる可能性があります。
■ 専用機で自動化できる仕事もある
同じワークを大量に処理する場合や、
バリ位置が一定している場合は、
専用のバリ取り機が適することがあります。
例えば、
ブラシ
ベルト
砥石
カッター
などを利用し、
一定条件でワークを通す方式です。
ロボットと比べて動作自由度は限定されますが、
仕事内容が固定されているなら、
シンプルな設備構成にできる場合があります。
特に平板や一定形状のワークでは、
最初からロボット化するより
専用機の方が合理的な場合もあります。
■ ロボットが向いているのはどんな仕事?
ロボットは、
複雑な形状
複数箇所
複数方向
品種変更
がある作業で検討しやすくなります。
例えば、
ワークの外周をなぞる
複数の穴周辺を処理する
形状に沿って研磨する
といった作業です。
ただし、
バリ取りは単純な位置制御だけでは難しい場合があります。
人がバリ取りをするときは、
少し強く押す
少し弱くする
形状に沿って力を調整する
といった作業を無意識に行っています。
ロボットでも同様に、
「押し付ける力」を制御できる仕組みが重要になります。
■ 力センサを使ったバリ取り
ロボットによるバリ取りで利用される技術の一つが、
力センサです。
ファナックは、ロボットの手先にかかる力とモーメントを検出し、
その情報を使ってロボットの動きを制御する
力制御機能を展開しています。
同社は適用例として、
研磨やバリ取りを明示しています。 :contentReference[oaicite:0]{index=0}
つまり、
決められた位置をただ通る
だけではなく、
ワークへ一定の力で押し付けながら動く
という制御が可能になります。
これは、
形状に多少ばらつきがあるバリ取りや研磨で
重要な考え方です。
■ 協働ロボットという選択肢もある
比較的小さなワークや、
人の作業エリアに近い場所で自動化したい場合には、
協働ロボットも候補になります。
ファナックの協働ロボットCRXシリーズでは、
内蔵センサを利用した力制御機能が用意されており、
「倣い(研磨、バリ取り)」も対象作業として紹介されています。 :contentReference[oaicite:1]{index=1}
ただし、
協働ロボットなら安全柵が不要
と単純に判断することはできません。
バリ取りでは、
回転工具
砥石
飛散物
ワーク
鋭利なエッジ
などの危険源があります。
ロボットそのものだけでなく、
作業全体として安全対策を考える必要があります。
■ ワークのばらつきをどうするか
バリ取り自動化で難しいのが、
ワーク位置や形状のばらつきです。
毎回ワークが完全に同じ位置に固定されていれば、
ロボットは決められた軌跡を動きやすくなります。
しかし、
置く位置がずれる
ワーク形状が複数ある
バリ位置が変わる
という場合は、
追加の仕組みが必要になります。
例えば、
治具
位置決め
画像認識
力制御
などです。
実際にロボットSIerの事例でも、
バリ取り・研削・研磨用途では
力センサや画像処理などを組み合わせたシステムが使われています。 :contentReference[oaicite:2]{index=2}
■ 多品種少量だから無理とは限らない
品種が多いから、
バリ取り自動化は難しい。
そう考えることもあります。
しかし重要なのは、
品種数そのものではありません。
例えば20種類のワークがあっても、
バリ取りする場所
使用する工具
ワークの持ち方
作業手順
が共通していれば、
自動化できる可能性があります。
逆に、
1種類のワークだけでも
バリの発生位置や大きさが毎回大きく変わる場合は、
難易度が上がります。
まず、
何が同じで
何が変わるのか
を整理することが大切です。
■ ロボットだけを見積もらない
バリ取りロボットを検討するときは、
ロボット本体だけで設備費を考えないようにします。
必要になる可能性があるものとして、
ロボット
バリ取り工具
力センサ
治具
ワーク供給
画像処理
安全柵
集じん
制御盤
ティーチング
などがあります。
特に研削や研磨では、
粉じんや火花などへの対策も必要になる場合があります。
つまり、
ロボット単体ではなく
「バリ取りシステム」として考えることが重要です。
■ こんな現場は一度自動化を検討する価値があります
例えば、
・毎日同じバリ取り作業をしている
・1人が長時間バリ取りしている
・グラインダー作業が多い
・作業者によって仕上がりが違う
・人を配置し続けるのが難しい
・加工設備は自動化したのに仕上げだけ手作業
・生産数量が増えている
といった場合です。
特に、
人が単純作業を繰り返している工程は
自動化候補として一度確認する価値があります。
■ 最初は1工程だけでもいい
バリ取り工程すべてを
一度に無人化する必要はありません。
例えば、
最も数量が多いワークだけ
↓
最も時間がかかるバリだけ
↓
最も危険なグラインダー作業だけ
と対象を限定して始めることもできます。
まず一つの工程を自動化し、
効果や課題を確認した後で
対象を広げていく方法です。
自動化は、
大きなシステムから始めるとは限りません。
■ 釜屋ではバリ取り工程そのものから相談できます
「バリ取りロボットを買いたい」
と設備を決めていただく必要はありません。
まず、
・ワーク
・材質
・サイズ
・重量
・バリの位置
・バリの大きさ
・品種数
・生産数量
・現在の作業時間
・求める仕上がり
を確認します。
そのうえで、
前工程でバリを減らす
専用工具を使う
専用機を使う
産業用ロボットを使う
協働ロボットを使う
などを比較します。
バリ取りに人手がかかっている場合は、
現在のワークと作業方法からご相談ください。
自動化・省人化については、
釜屋オンラインの「自動化・省人化」ページでも情報をまとめています。
自動化・省人化について詳しく見る
https://kamaya-online.jp/automation/
釜屋オンライン


