3軸加工から5軸加工へ変えるべき仕事とは?段取り回数から考える5軸加工
3軸加工のままでいいのか、5軸加工機へ移行すべきなのか。
結論から言えば、「複雑な形状を加工するから5軸」と考えるだけでは不十分です。
現在の3軸加工でワークを何回載せ替えているか、
何個の治具を使っているか、どの面を加工するために段取りを変えているか。
この「段取り回数」が、5軸加工を検討する重要なポイントの一つです。
■ 5軸加工=複雑形状専用ではない
5軸加工機というと、航空機部品やインペラ、金型など、
複雑な形状を削る機械というイメージが強いかもしれません。
もちろん複雑形状加工は代表的な用途ですが、
もう一つ重要なのが「多面加工」と「工程集約」です。
3軸加工機では、上面を加工したあと、
側面を加工するためにワークを外して向きを変え、
再び位置決めすることがあります。
さらに反対側を加工するなら、もう一度段取りが必要になります。
5軸加工機ではワークを傾けたり回転させたりできるため、
加工内容によってはワンチャッキングで複数面を加工できます。
■ まず現在の段取り回数を確認する
5軸加工機を検討する前に、現在加工している代表的なワークについて、
・何面加工しているか
・何回ワークを外しているか
・段取り1回に何分かかっているか
・専用治具をいくつ使っているか
・再チャッキング後の位置決めに時間がかかっていないか
を確認してみてください。
ここが5軸化による改善余地を考える入口になります。
オークマが公開しているMU-5000Vの導入事例では、
3軸加工から5軸加工へ変更し、ワンチャッキングで複数工程を加工することで
段取り替え時間を35%削減した事例が紹介されています。
これは特定ユーザーの実績であり、
すべての加工で35%削減できるという意味ではありません。
しかし「切削時間」だけではなく
「段取り時間を見る」という考え方を理解するには分かりやすい事例です。
■ 逆に3軸加工の方がいい仕事もある
5軸加工機は高機能ですが、
すべての仕事を5軸へ移せばよいわけではありません。
例えば、
・単純な上面加工が中心
・現在の治具で効率よく量産できている
・段取り回数が少ない
・3軸機で十分な加工精度と生産量を確保できている
のであれば、3軸加工機の方が合理的な場合もあります。
大切なのは「5軸加工機が高性能だから導入する」のではなく、
現在の加工工程の何を改善したいのかを明確にすることです。
■ 5軸化を検討したい加工とは?
例えば次のような加工です。
・複数面を加工する
・斜め穴がある
・ワークの載せ替えが多い
・複雑形状を加工する
・段取りごとの位置決め精度が問題になる
・長い工具を使わざるを得ない
・工程集約したい
・将来的に自動化したい
こうしたワークが増えているなら、
5軸加工機を検討する意味が出てきます。
■ メーカーからではなく「ワーク」から選ぶ
DMG森精機、オークマ、牧野フライスなど、
各メーカーが5軸加工機を展開しています。
しかし最初からメーカーや機種を決めるより、
ワークサイズ
材質
加工形状
必要精度
加工数量
使用工具
現在の段取り
自動化の必要性
などを整理してから設備を比較した方が、
導入目的が明確になります。
■ 釜屋へ加工ワークからご相談ください
「5軸加工機が欲しい」という段階まで決まっていなくても構いません。
「このワークは3軸で続けるべきか」
「5軸にすると段取りを減らせるのか」
「複合加工機の方がいいのか」
といった段階から検討できます。
工作機械は機械単体の比較だけではなく、
現在の工程と将来の加工内容から選ぶことが重要です。
工作機械の選定・導入・更新については、
釜屋オンラインの「工作機械」ページでも情報をまとめています。
工作機械について詳しく見る
https://kamaya-online.jp/machine-tools/
釜屋オンライン


