シリコンを加工するには?金属加工との違いから設備を考える
シリコンを加工したい。
この相談で最初に確認したいのは、
「どのシリコンを、どのような形状に加工したいのか」です。
結論から言えば、
シリコンやSiCなどの材料は、一般的な鉄やアルミの切削加工と
同じ発想だけで設備を決めることはできません。
材質
厚み
加工形状
要求精度
表面品質
割れ・欠けの許容範囲
などによって、
切削、研削、レーザーなど加工方法そのものを検討する必要があります。
■ まず「シリコン」と「シリコーン」を区別する
最初に確認しておきたいのが材質です。
製造現場で「シリコン」という言葉を使う場合、
半導体材料として使用されるシリコン(Si)や、
炭化ケイ素(SiC)などを指す場合があります。
一方で、ゴム状・樹脂状の「シリコーン」は別の材料です。
この記事では、
半導体や精密部品などで使われる
シリコン系の硬質材料・脆性材料を中心に考えます。
設備相談では、単に
「シリコンを加工したい」
だけではなく、
Siなのか
SiCなのか
ウエハなのか
ブロック形状なのか
まで確認することが重要です。
■ 金属加工と何が違うのか?
鉄やアルミなどの金属では、
工具によって材料を切削し、
切りくずとして除去する方法が広く使われています。
一方、シリコンやSiCなどの脆性材料では、
加工条件によって割れや欠けが問題になることがあります。
そのため、
「削れるかどうか」
だけではなく、
「要求する品質で加工できるか」
を見る必要があります。
例えば穴加工でも、
穴径
穴深さ
入口の欠け
出口側の欠け
加工面
位置精度
など、確認する項目が変わります。
■ 最初に加工方法を決めない
シリコン加工の相談で重要なのは、
「マシニングセンタで削りたい」
「レーザーで加工したい」
と加工方法を先に決めすぎないことです。
まず確認したいのは、
・材質
・ワークサイズ
・厚み
・穴加工なのか
・切断なのか
・形状加工なのか
・必要な寸法精度
・加工面の要求
・生産数量
です。
それによって、
適した加工方法が変わります。
例えば薄い材料を切断する場合と、
厚いワークへ深い穴を加工する場合では、
同じ設備で考える必要はありません。
■ SiCなどではレーザー加工という選択肢がある
近年、パワー半導体分野では
SiCなどの材料が使われています。
牧野フライス製作所は、
パワー半導体分野への取り組みとして
SiCなどの脆性材への穴加工・形状加工や、
半導体用ウエハなど薄材の切断に
レーザー加工機を展開しています。 :contentReference[oaicite:0]{index=0}
同社のLBシリーズでは、
レーザーとウォータージェットを組み合わせた加工方式を採用しています。
牧野フライスの資料では、
水柱の中にレーザーを通して加工することで、
セラミックスなどの硬質材料に対応し、
加工時の熱影響を抑えながら加工くずを除去する考え方が紹介されています。 :contentReference[oaicite:1]{index=1}
つまり、
脆性材加工では「どの工具で削るか」だけではなく、
レーザーなど非接触に近い加工方式まで含めて
設備を比較する必要があります。
■ SiCとシリコンを同じものとして考えない
ここも重要です。
シリコン(Si)と
炭化ケイ素(SiC)は同じ材料ではありません。
さらに、
単結晶か
多結晶か
焼結材料か
ウエハか
によっても加工条件は変わります。
そのため、
「シリコン加工の実績があります」
という情報だけで設備を判断するのは危険です。
実際に加工したい材質と、
メーカーが公開している加工事例の材質が一致しているかを
確認する必要があります。
■ 半導体製造装置向け部品なら話が変わる
もう一つ区別したいのが、
「半導体材料そのものを加工する」
場合と、
「半導体製造装置の部品を加工する」
場合です。
後者では、
アルミやステンレスなどの金属部品を
高精度に加工するケースも多くあります。
牧野フライスでは、
半導体製造装置部品向けとして、
高い加工面品位や複雑形状に対応する5軸加工機DA500や、
大型部品向け横形マシニングセンタa91nxなどを展開しています。 :contentReference[oaicite:2]{index=2}
つまり、
半導体関連だからレーザー加工機
ということでもありません。
何を加工するのかによって、
レーザー加工機
マシニングセンタ
5軸加工機
研削設備
など、設備の選択肢は変わります。
■ 割れ・欠けだけでなく加工後工程も確認する
脆性材料では、
加工そのものができても、
後工程で問題が出る場合があります。
例えば、
加工後の洗浄
微細な欠け
表面品質
異物
加工粉
検査方法
などです。
特に半導体関連では、
「寸法が出ているからOK」
だけでは判断できない場合があります。
そのため設備検討では、
加工
↓
洗浄
↓
測定
↓
検査
まで含めて考える必要があります。
■ こんな場合は加工方法から相談した方がよい
次のような場合は、
設備機種を先に決めるのではなく、
加工方法から検討することをおすすめします。
・SiやSiCを初めて加工する
・割れや欠けで困っている
・薄い材料を切断したい
・微細な穴を加工したい
・加工面の品質要求が高い
・加工数量が増えてきた
・現在の加工方法では時間がかかる
・半導体関連設備向けの仕事が増えている
特に新しい材料の場合は、
現在使用している工作機械の延長線上だけで考えない方がよい場合があります。
■ 釜屋では材質とワークから設備を考えます
シリコン系材料や脆性材を加工したい場合、
最初から加工機の種類を決める必要はありません。
まず、
・正確な材質
・ワーク形状
・サイズ
・厚み
・加工内容
・要求精度
・面品質
・数量
・現在の加工方法
・現在困っている点
を確認します。
そのうえで、
切削加工で対応するのか
5軸加工を検討するのか
レーザー加工を検討するのか
別の加工方法が適しているのか
を考えます。
「シリコンを加工したいが、
そもそもどの設備が必要なのか分からない」
という段階からでも構いません。
材料、図面、要求品質を確認しながら、
加工方法と設備選定を一緒に整理していきます。
切削加工や特殊材料の加工については、
釜屋オンラインの
「切削加工・加工トラブル対策」ページでも情報をまとめています。
切削加工・加工トラブル対策について詳しく見る
https://kamaya-online.jp/machining/
釜屋オンライン


